友人：アゲハについて

アゲハ。名字は聞いていない。
2歳くらい年上の友人兼同業者。少年。
小さい頃から一緒につるんでおり、一緒になって情報を集めたり盗みをしたりしている。
レネゲイドを知らない、ということは知っているのでさり気なくサポートしている。
彼も家出少年であるため、「帰る気はないのか？」とたまに聞くことがある。
「家のことがあんまり好きじゃない」と返してくるので、深くは聞いていない。
おそらく時々家に帰っているようで、時々やること丸ごと放り投げられて任されることもある。
「てめー！！」って怒ることもあるが、大体本気ではないので引き受けている。
てふ自身は今は貴之さんの家に住み着いているので、より一層気に掛けるようになっている。
どうも色々あってから彼も彼なりの居場所を見つけて謳歌している模様。今も時々つるんでいる。

一矢貴之に対して

一言で言えば、懐いている。
が、素直じゃなかったり天の邪鬼だったり万年反抗期だったりで真っ直ぐ言うことを聞くことがない。
貴之さんがはいと言えばてふは即座にいいえと言う。
何より、貴之さんが常に罪悪感、自己犠牲、自責、そういった感情に囚われていることがとにかく気にくわない。
本当はもっと素直になってもいいと思うところもあるのだが、彼のそういった面をとにかく否定したくて反抗期が直らない。
褒められると照れ隠しにツンとしてしまうが、物を貰ったりするとついうっかり素直に喜んでしまうことはある。
一緒にいることは嫌いではないし寧ろ好き、落ち着くので、くっついて歩いたり布団に潜り込んだりはする。

様々な事象のせいで、貴之さんの過去の姿を多々知ってしまっている。
そういった意味で、自分が保護・庇護されているのと同時に、彼に対しても同じような感情を持っている。
ただし、貴之さんのことを父親のように思うことはない（＝自分の父親が最低最悪！と思っているので一緒にしたくない）

てふが生まれたのはとある籍を入れていない男女の元だった。
当初は仲の良かった二人だが、実の所女の方はとある宗教にのめり込んでいる狂信者だった。
そんな女に恐れを抱き、てふが生まれて間もなく、男は家から逃げてしまった。
逃げた男に対して猛烈に怒りと嫌悪をぶつけた女は、その矛先をてふにも向ける。
「あんな男の血が流れているなんて汚らわしい」
その結果、怪しげな儀式に連れ込まれることはなくなったが、人間の子供として正しく育てられることもなくなった。
だから大人は大嫌いだし、女が酷く罵っていた男のことは世界で一番大嫌いである。
親に貰った名はない、あるいは幼すぎて覚えていない。物心ついた頃にはもう名を呼ばれることがなかったから。

家から逃げて、生き延びて、今生きている。やりたいことをできて、食事がある。
あらゆる事に幸せを感じていているお陰で、昔のことを次第に忘れられるようになってきた。

なお衝動：自傷は覚醒してから現れたものではない。元々苦しさから逃げるために自分に備わっていたもの。
それ故に刃物を持ち歩き、痛みで苦しみを誤魔化し続けてきた。
今もその癖は治まっていないが、昔よりは大分落ち着いてきている。

家出したあと、餓えで衰弱しきったてふを助けてくれたのは、夢希リトだった。

まだ幼いてふが家出後も生きていけたのは、リトに拾われたからである。
元々満足に食事もできておらずいよいよ衰弱しきって倒れかかっていた所を、リトに見つけられた。
初めは捨てられた犬を拾ったのだろう、くらいにてふは思っていたが、食事をくれるだけでなく、生まれてからこれまでの生活を心配してくれた。愛情………というものはこういうものなんだあろうか、と初めて思った。
ご飯を食べさせてくれた時、今までの心細さと悲しさと恐怖と今の嬉しさでわんわん泣いた。

それ以来、リトにずっと面倒を見てもらっていた。
初めは家に住まわせてもらって、一人で過ごせるようになってからも遊びに行って。
リトは恩人であり、唯一の頼れる人だった。自分は彼女に恩返しをしたい。彼女のためになりたい。
その為なら番犬にだってなってやる。
そう意気込んでみたものの、危ないことはしなくていいんだよ的に言われてしまった。
それ以来めちゃくちゃ特訓して拳銃の扱いを覚えた。意地と気合いの勝利。
オーヴァードでも何でもなく、ただの小さい子供だったのに戦う術、生き抜く力を身につけた。
UGNに協力しようと思ったのも、それが彼女のためだと思ったから。

・《妖精の手》Lv2で取得
貴之さんに降りかかる（かもしれない）悪運をねじ曲げたいの気持ちの表れ。
「だってあいついっつも『俺のせいだ』って言うんだもん、そんなわけねーだろ！？」
「別にオレに何かあっても、あいつがやろうとしたワケじゃねーし！」
「もしほんとにさ、レネゲイドのせいですっげー悪いことが起きてるなら、やっぱりレネゲイドなんてキライだ」